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ノンファーム型接続とは?早く系統につながる代わりに何を受け入れるのか

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ノンファーム型接続とは?早く系統につながる代わりに何を受け入れるのか

「系統の空き容量がない」問題への一つの答え

発電設備や蓄電池を電力系統につなぐには、送電線に受け入れの余地(空き容量)が必要です。従来の運用では、空き容量が不足している系統に接続するには送電線の増強工事を待つ必要があり、その工事には長い期間と高額な工事負担金がかかる場合がありました(一般的な接続の流れは別記事「系統連系とは何か」参照)。この「つなぎたくても何年もつなげない」という系統制約の問題に対して導入されたのが、ノンファーム型接続という考え方です。資源エネルギー庁の公表資料では、既存系統を最大限活用する「日本版コネクト&マネージ」の施策の一つとして位置づけられており、2021年以降、適用範囲が段階的に拡大されてきました。

ファーム型とノンファーム型の違い

従来のファーム型接続

ファーム型接続は、系統が混雑した場合でも原則として送電できる「枠」を確保する接続方式です。送電の確実性が高い反面、空き容量がない系統では増強工事の完了を待つ必要があり、接続までの時間と費用が大きくなり得ます。再エネの適地に接続希望が集中した地域では、この待ち時間そのものが事業化の障壁になってきました。

ノンファーム型接続

ノンファーム型接続は、系統が混雑した時間帯には出力制御(発電の抑制)に応じることを条件に、増強工事を待たずに接続を認める方式です。「早く・低コストでつながる」ことと引き換えに、「混雑時には送電できない可能性」を受け入れる仕組みと言い換えられます。

| 観点 | ファーム型 | ノンファーム型 | |---|---|---| | 接続までの期間 | 増強工事が必要な場合は長期化し得る | 増強を待たずに接続できる場合がある | | 混雑時の扱い | 原則として送電の枠が確保される | 出力制御に応じることが前提 | | 送電の予見性 | 相対的に高い | 混雑発生の頻度に依存する |

ファーム型接続とノンファーム型接続の比較: 接続までの期間と混雑時の扱いの違い
ファーム型接続とノンファーム型接続の比較: 接続までの期間と混雑時の扱いの違い

受け入れるのは「系統混雑による出力制御」

ここで前提となる出力制御は、エリア全体の需給バランスを保つための出力制御(別記事「出力制御とは何か」参照)とは発生の理由が異なります。ノンファーム型接続で受け入れるのは、特定の送電線の容量を超過しそうな場合に行われる、系統混雑を理由とする制御です。つまりノンファーム型の電源は、需給バランス由来の出力制御に加えて、接続する系統の混雑状況次第でさらに制御を受ける可能性があるということです。

どの程度の制御が生じるかは、接続する系統の混雑状況・同じ系統に接続する他の電源の状況・将来の増強計画によって変わり、事前に確定できません。一般送配電事業者や送配電網協議会、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が公表する系統情報が、状況を把握するための一次情報になります。

適用範囲は段階的に広がってきた

ノンファーム型接続は、当初は空き容量の不足した基幹系統(大容量の送電網)への新規接続を対象に運用が始まり、その後、より需要地に近いローカル系統へと対象が段階的に拡大されてきたと資源エネルギー庁の公表資料で整理されています。適用範囲の拡大は「接続の門戸が広がる」ことを意味する一方、同じ系統にノンファーム型で接続する電源が増えるほど、混雑時に制御を分け合う母数も増えるという側面があります。

また、系統の増強や電源の廃止によって空き容量が生まれた場合の扱い、混雑管理の方法(制御の順序や単位)についても、制度設計の議論が継続しています。「いま公表されているルールが最終形ではない」という前提で、検討時点の最新資料を確認する姿勢が必要です。

投資への影響: 収入の予見性をどう評価するか

ノンファーム型接続を前提とする発電所は、売電収入が系統混雑の影響を受けるため、ファーム型を前提とした収支計画をそのまま当てはめることはできません。収支シミュレーションに出力制御の影響がどの程度織り込まれているか、その想定の根拠は何かが重要な確認点になります。制御の影響を織り込んだ収支を提示する場合、その前提条件とリスク(想定以上の制御が発生する可能性)が同時に示されているかどうかが、資料の誠実さを測る目安にもなります。

一方で、系統混雑はいつも発生しているわけではなく、混雑する時間帯・しない時間帯の差が生じます。この価格や送電可否の時間差は、電気を貯めて時間をずらせる蓄電池(別記事「系統用蓄電池投資の仕組みとは」参照)にとっては事業機会の背景にもなり得ます。同じ制度が、電源の種類によってリスクにも機会にもなる点が、この分野の制度理解の面白いところです。

接続方式は書面で確認できる

自分が検討している案件がどちらの方式かは、感覚ではなく書面で確認できます。系統への接続条件は、一般送配電事業者への接続検討の回答書や接続契約に記載されるためです。販売資料に「ノンファーム」の記載がない場合でも、接続の時期や系統の状況によってはノンファーム型が適用されている可能性があるため、「本件の接続方式はファーム型・ノンファーム型のどちらか」「根拠となる書面はどれか」を事業者に直接確認することをおすすめします。この質問への回答が曖昧な案件は、収支計画の前提そのものが検証できないことになります。

投資判断で確認すべき点

  • 接続方式の確認: 検討中の案件がファーム型・ノンファーム型のどちらで接続する(した)のか、契約書・接続検討回答で確認する
  • 出力制御の想定: 収支計画に系統混雑による制御の影響が織り込まれているか、その想定の根拠(参照した公表データ)は何か
  • 系統の状況: 接続先エリア・系統の混雑状況や増強計画に関する公表情報を確認したか
  • 下振れ耐性: 制御が想定より多く発生した場合でも事業が成立するか、感度分析があるか
  • 将来の制度変更: 系統利用ルールは見直しが続く分野であり、最新の一次情報(資源エネルギー庁・OCCTO・送配電網協議会)の確認手段を持っているか

まとめ

ノンファーム型接続は、系統混雑時の出力制御を受け入れることと引き換えに、増強工事を待たずに系統へ接続できる仕組みです。接続までの時間という大きなメリットの裏に、送電できない時間帯が生じ得るという収入の不確実性があり、投資検討ではこの両面を収支計画のレベルで確認する必要があります。再エネの導入拡大と系統制約の解消は今後も制度議論が続くテーマであり、ノンファーム型接続はその中心にある仕組みの一つです。案件の検討にあたっては、接続方式の確認を出発点に、出力制御の想定・下振れ耐性・制度動向の把握という順で確認を積み上げていくことが、この制度と付き合う実務的な方法と言えます。関連する用語は用語集で、制度の最新動向は資源エネルギー庁・OCCTO等の一次情報で確認してください。

出典・参考資料

執筆者

Wealth HUB 編集部

運営: 株式会社ファンベスト

系統用蓄電池・不動産などの実事業を持つ株式会社ファンベストが運営する、資産運用・投資情報メディアの編集部です。制度・数値は一次情報を出典として明記し、特定の金融商品の売買を推奨しない編集方針で記事を制作しています。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・投資案件の売買を推奨し、または投資勧誘を行うものではありません。記事内で言及する制度・数値・利回り等は一般的な解説であり、将来の成果や収益を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

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