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償却資産税とは何か。太陽光・蓄電池の保有コストとしてどう確認するか

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償却資産税とは何か。太陽光・蓄電池の保有コストとしてどう確認するか

この記事で分かること

太陽光発電所や系統用蓄電池の収支計画を見るとき、見落とされやすい費用の一つが、いわゆる「償却資産税」です。正式には固定資産税の一部で、土地・家屋以外の事業用資産(償却資産)に課される市町村税です。売電収入や運用収益が変動する一方で、この税は設備を保有している限り毎年発生する固定的なコストになります。本記事では、総務省の公表情報に基づいて制度の骨格を整理し、投資検討時に確認したい観点をまとめます。個別の課税関係・申告の要否は、資産が所在する市町村および税理士等の専門家に確認してください。

固定資産税と償却資産の位置づけ

総務省の解説によれば、固定資産税は土地・家屋・償却資産を総称した「固定資産」に対して課される税で、固定資産の所有者が、その資産価値に応じて算定された税額を、資産が所在する市町村に納めます(東京23区内は都税として東京都に納めます)。

このうち償却資産とは、土地および家屋以外の「事業の用に供することができる資産」を指します。構築物(フェンス・広告塔など)、機械、備品などが例示されており、事業用の太陽光発電設備や蓄電池設備も、この償却資産として固定資産税の対象になり得ます。現に稼働している資産だけでなく、事業の用に供する目的で保有され、いつでも稼働できる状態にある遊休資産も課税対象とされる点は注意が必要です。

なお、名称が似ていますが、法人税・所得税の計算で費用化する「減価償却」(国税庁タックスアンサーNo.2100)とは別の制度です。両者の違いを整理すると次のようになります。

| 観点 | 減価償却(国税) | 償却資産に対する固定資産税(地方税) | | --- | --- | --- | | 性質 | 所得計算上の費用配分 | 資産の保有に対する課税 | | 納付先 | 国 | 資産が所在する市町村(東京23区は都) | | 収支への影響 | 費用計上により課税所得を減らす | 毎年の税負担として支出が発生する |

同じ設備について、国税側では減価償却で費用化しながら、地方税側では保有課税を毎年納める、という形で両方が並行して関わってきます。即時償却などで国税側の費用化を前倒ししても、固定資産税の課税がなくなるわけではない点は混同しやすいところです(償却の前倒しの仕組みは別記事「即時償却と特別償却の違い」参照)。

固定資産税の対象となる3つの資産区分(土地・家屋・償却資産)と、太陽光・蓄電池設備の位置づけ
固定資産税の対象となる3つの資産区分(土地・家屋・償却資産)と、太陽光・蓄電池設備の位置づけ

税額の考え方: 毎年かかる保有コスト

総務省の解説によれば、固定資産税の税額は課税標準額に税率を乗じて算定され、税率は原則1.4%です(市町村は条例で異なる税率を定めることができます)。償却資産の課税標準となる評価額は取得後の経年により見直されるため、税額は保有期間を通じて一定ではありませんが、設備を保有している限り毎年発生する費用であることに変わりはありません。

売電単価や市場価格が下がっても、この税は資産の評価額に応じて課される保有課税であるため、収入の増減に連動して軽くなるわけではありません。収入変動リスクと固定的コストの組み合わせという構造を理解した上で、投資検討の場面では、次の2点が実務上のポイントになります。

  • 収支シミュレーションに織り込まれているか: 販売事業者が提示する収支計画に、償却資産に対する固定資産税が費用として計上されているか。計上されている場合、その前提(評価額の推移・税率)が説明できるものか(確認の観点は別記事「収支シミュレーションはどこを見るか」参照)
  • 申告が前提の税である: 償却資産に対する固定資産税は、所有者が市町村へ資産の状況を申告する手続きを前提としています。申告の時期・様式・対象は資産が所在する市町村の案内で確認する必要があります

太陽光・蓄電池で確認したい論点

何が償却資産に該当するかの切り分け

発電設備一式といっても、パネル・パワーコンディショナー・架台・フェンス・造成部分など構成要素は多様で、償却資産と家屋・土地の切り分けが論点になる場合があります。設置形態(野立てか屋根置きか等)によっても整理が変わり得るため、取得前に販売事業者へ「償却資産としてどの範囲を申告する想定か」を確認し、最終的には市町村・税理士等に確認することが確実です。

特例措置の有無は年度と設備により異なる

一定の再エネ設備について、固定資産税の課税標準を軽減する特例措置が設けられる場合があります。ただし、対象設備・軽減割合・適用期間は年度の税制改正や自治体の運用によって異なるため、本記事では具体的な数値には立ち入りません。検討時点で適用可能な特例があるかは、総務省・自治体の公表情報と税理士等への確認で判断してください。特例を前提にした収支計画は、特例が適用できなかった場合の姿も併せて確認しておくと安全です。

取得前に負担額の見通しを確認する手順

保有コストとしての固定資産税を取得前に見積もるには、次のような手順が現実的です。まず、販売事業者に対して、同種の設備で償却資産の申告をどのように行っているか、収支計画上の固定資産税の計上根拠は何かを確認します。次に、設備が所在する市町村が公表している償却資産の申告に関する案内(手引き・様式)を入手し、課税の対象範囲・手続きを確認します。その上で、具体的な税額の見通しと申告実務については税理士等に相談する、という流れです。取得後に「想定していなかった費用」として現れるのが最も避けたい形であり、契約前の段階で費用として認識しておくこと自体に意味があります。

スキームによって納税義務者が変わる

償却資産に対する固定資産税は資産の所有者に課されます。設備を自ら所有する区画購入型か、出資参加型かなど、事業スキームによって誰がこの税を負担するかが変わります(スキームの違いは別記事「系統用蓄電池投資の事業スキーム」参照)。契約上、税負担が誰に帰属するかを確認しておくことが必要です。

投資判断で確認すべき点

  • 収支計画への計上: 償却資産に対する固定資産税が費用として織り込まれているか。金額の根拠(評価額・税率の前提)を説明できるか
  • 申告手続きの体制: 誰が(自社か、管理会社・事業者側か)市町村への申告を行うのか。契約・運用体制上の分担が明確か
  • 課税対象の範囲: 設備のうちどの範囲が償却資産として扱われる想定か。家屋・土地との切り分けに不明点はないか
  • 特例措置の確認: 検討時点で利用可能な特例の有無・要件を一次情報で確認したか。特例なしでも収支が成り立つか
  • 専門家への確認: 個別の課税関係・申告の要否・特例の適用可否について、市町村および税理士等の専門家に確認したか

まとめ

いわゆる償却資産税は、固定資産税のうち土地・家屋以外の事業用資産に課される市町村税で、税額は課税標準額に原則1.4%の税率を乗じて算定されます。太陽光・蓄電池は売電収入・運用収益が変動する事業である一方、この税は保有している限り毎年発生する固定的コストであり、収支計画に織り込まれているかどうかが確認の第一歩です。課税対象の範囲・申告手続き・特例措置は資産の内容と年度・自治体によって異なるため、総務省・市町村の一次情報を確認するとともに、具体的な取扱いは必ず税理士等の専門家に相談してください。

出典・参考資料

執筆者

Wealth HUB 編集部

運営: 株式会社ファンベスト

系統用蓄電池・不動産などの実事業を持つ株式会社ファンベストが運営する、資産運用・投資情報メディアの編集部です。制度・数値は一次情報を出典として明記し、特定の金融商品の売買を推奨しない編集方針で記事を制作しています。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・投資案件の売買を推奨し、または投資勧誘を行うものではありません。記事内で言及する制度・数値・利回り等は一般的な解説であり、将来の成果や収益を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

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